2011年08月07日

映画『ゆりかごを揺らす手』の後味の悪さ

『ゆりかごを揺らす手』という映画をDVDで観た。ある幸せな家庭に、ベビーシッターとしてやってきた女がいて、みなの心をあやつり、夫婦仲をはじめその家庭を徐々に崩壊させていくのである。実はそのベビーシッターの女は、産婦人科医の夫をピストル自殺で亡くし、そのせいでお腹の赤ちゃんを流産していた。そしてその原因となったのが、ベビーシッターとして雇われた家の主婦が訴えた、彼女の夫に対するセクハラ疑惑であった。つまり復讐のためにその家に入り込んだのである。最後、正体がバレた女は格闘の末2階の窓から突き落とされて死んでしまう。めでたしめでたし。というわけである。すごく後味が悪く、いや〜な気分になった。ベビーシッター女の周到さ、子どもを味方につけるやりかたなど恐ろしくはあるのだが、私はこの女の恐ろしさよりも、被害者主婦の「私っていい人なの」「私って純粋なの」「私って自然体なの」といったいかにもの雰囲気が鼻につきむかついた。産婦人科医の診察が終った後も、ぜえぜえいって(喘息もちである)大急ぎで帰宅し、涙を浮かべながら夫にセクハラ被害にあったと訴えるのである。そのくせ「訴えるなんてそんな…勘違いかもしれないし」などと言い、夫に促されてようやく訴える決心をするのである。この女は福祉協会から派遣されてきた黒人の障害者に対しても差別心があるのに、寛容さを見せている。「私って人を見かけで判断しないの」ってとこか。その黒人男も「この家はあったかい。ホッとする」などと言っている。ベビーシッター女をすぐに雇ったのも、女が白人で育ちがよさそうだったからである。自分の悩みもすぐに打ち明けて仲良くなっている。みせかけでだまされる女なのである。この女の事あるごとにうろたえて、ぜえぜえいってる姿はほんとイラついた。「私って一人じゃだめなの。誰か支えて」ってかんじ。最後ベビーシッター女に立ち向かっていくのだが、いかにも正義は勝つといわんばかりの結末で、ほんとうに気分悪い。悪霊を退治し、家庭に平和が戻ったというオチです。復讐女が怖い、まさにホラーだというレビューが多いなかで、あるレビューが印象的だった。

深い憎しみを抱いた復讐者が、知らずに自分の家に入り込んでいるという「恐怖」のほかに、ある種の「悲しさ」をこの作品が漂わせているというのは、この二つの「幸せ」が両立しなかったことの悲しさの故だろうと、評論子は思いました。

単なるサスペンスの域を超えて、印象に残る作品だったと思います。


映画では、幸せになる権利は被害者の主婦にしかないように描かれているが、ベビーシッター女だって幸せになりたかったのだ。なる権利はあるのだ。幸せを奪われた女の悲しくも恐ろしい復讐劇だったのだ。このレビューでちょっと気がすんだ。
posted by みょうみょう at 21:11| Comment(0) | DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月28日

映画の復刻シリーズにはまる。

最近TSUTAYAの復刻シリーズにはまっている。70年代から90年代にかけてのDVDである。アラン・ドロン、チャールズ・ブロンソン主演の『さらば友よ』、スティーブン・キング原作の『ミザリー』、マット・ディロン主演の『聖者の眠る街』などを立て続けに見ている。古臭い映像がなつかしさをかもし出していて落ち着く。(私は1970年生まれの40歳である。)小道具も今ではなつかしいものばかりだ。公衆電話にタイプライター、フィルムカメラなど、今ではめったにお目にかからないか、すでに消滅しているものばかりだ。女性のファッションも眉がすごく太かったり、ボディコンシャスな服(体の線が出るピターッとした服)だったり、ソバージュヘア(インスタントラーメンみたいなパーマ)だったりして面白い。自分が生まれ育った時代の映画は他の時代の映画とは違い、格別な思いがある。もっと昔の白黒映画などでは感じない郷愁がある。ところで、『聖者の眠る街』(1993年)にホームレスのための宿泊所が出てくるのだが、テレビや雑誌でみた東日本大震災の避難所みたいでびっくりした。大きな体育館のようなところに、何百?ものベッドが並んでいて、厳重なチェックを受けたホームレスがそこで寝泊りするのである。夜間の外出は禁止で、警備員が詰め所で見張っている。とはいっても、そこは無法地帯と化していて、窃盗、ケンカ、殺人までもが起こる。マット・ディロン演ずる元写真家のマシューも最後には、そこで刺し殺されてしまうのだが。警察は街を見回り、ホームレスをみつけると「シェルター」に強制連行するのだ。安全の保証の全くない「シェルター」に。そこに入れておきさえすればいいというように。なんかそういうとこもまるで避難所みたいだ。93年は日本のバブルがはじけた後である。自分のことしか関心がなく、どんな時代だったのか全く思い出せない。20代前半であったが、そこだけ 記憶が抜け落ちたようにあやふやだ。気づいたら90年代後半になっていたってかんじだ。アメリカのことなどなお知らない。復刻シリーズはなつかしいと同時に新鮮でもある。まだまだ自分のなかの復刻ブームは続きそうである。
posted by みょうみょう at 20:10| Comment(0) | DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月04日

ミナミの帝王は青春映画なのか?

週に一度、DVDを見ることにしている。自分に課している義務だからである。いつも返却日前日になって、「見なきゃな」と、重い腰を上げてようやく見る。そして、たいていはよい気分転換となる。義務転じて楽しみとなる。渋々義務でやっているのに、終ったら楽しい…なんか変だな。でもいつもそうだ。今回見たのは、1992年の作品、難波金融伝ミナミの帝王。竹内力が若く、さわやかなのに驚いた。(高利貸しなのに、笑顔がとってもさわやか。さすがトレンディードラマの時代だ)横山やすしが友情出演していて、ああ、まだこの人生きていたんだ、この時…と時の流れにジーンときた。女の人のファッションがすごくなつかしく、時代を感じる。髪型やメイク、服などが、大変興味深い。柳沢信吾が全く変わっていないように見えるのはなんか理由があるのだろうか。極悪非道な金貸しのはなしなのに、全体に明るくさわやかだ。おかしいな…闇金ウシジマくんと大違いじゃないか。どういうことだ?
posted by みょうみょう at 22:04| Comment(0) | DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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