2011年06月23日

隣家の便所の音はご免だ

「隣家の便所の音はごめんだ」

ある映画にでてきたセリフである。本筋とは全く関係ないセリフなのだが、生活の要を一言でよくあらわしていると思った。私は20年近く中古の建売住宅に住んでいた。市街まで車で30分ほどかかる郊外にあり、全く同じつくりの家が2軒並んでいるうちのひとつがわが家であった。2軒は長屋さながらくっついている。同じつくりなのでわが家のトイレのすぐ横が隣家の居間になり、台所のすぐ横が隣家の寝室になっている。私はトイレを使用するたびに、音が隣の人に聞こえるのではないかと嫌な気分であった。夜遅くまで起きてガスレンジや水道を使うとき、あるいは朝早く起きてそれらを使うとき、隣の人の睡眠妨害になっていないかと気を揉んだ。だんなにもよく叱られた。こんなふうに他人に気を使わなきゃならないなんてイヤだなと思った。だが隣家の人はもっと耐えがたかったであろう。居間にいて他人の排泄音やそれに関連する音が聞こえてくるのってどんなにイヤだろう。寝ているときにガチャガチャと音がするのはどれほど神経に障ることだろう。立場が逆であったら私は耐えられず逃げ出したかもしれない。私はだんなと二人だけだったので比較的自由に家を使えたが、隣家は4人家族である。子ども部屋を用意すると夫婦がいられる場所は限られる。わが家の雨樋が壊れて雨音がうるさく、そのことでも迷惑をかけていた。隣家の飼い犬がよく吠える凶暴な犬で、だんなは噛みつかれたことがあったし、私は庭に出るたびに吠えられ、すごくストレスを感じていた。20年近く隣同士だったのに、あいさつ以外は言葉を交わすこともなかった。お互いに不満をもちながらガマンしていたのだから当然かもしれない。今は金利が非常に低いらしく、新しい家がどんどん建っている。農家の人が土地を手離して業者が宅地造成して売り出しているのである。広く庭を取っている家もあるが、ほとんどは狭い敷地に建ぺい率ギリギリに家を建てている。一戸建てが夢なのかもしれないが、隣家の便所の音が聞こえるわが家でもいいというのだろうか?街のほうであれば、生活が便利な分、そういうこともガマンしなければけないのかもしれないが、わざわざ郊外に家を建ててローンを払い続けながら食事中に他人の排泄音を聞くことに抵抗は感じないのだろうか?住む人も設計する人も、もしも隣同士どうしてもくっついてしまうなら、生活音がお互いを圧迫しないように気をつけなければならないと思う。そういうことに無頓着だと、いくら行政が地域、地域と言ったところで、よい住民の関係は築けない。
posted by みょうみょう at 15:57| Comment(0) | 家について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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